黄瀬戸の馬盥向付です。しっとりとした肌の伝世品です。黄瀬戸のあぶらげ手の肌は大きく分けて二通りあり、比較的溶けた中に細かなつぶつぶとした出っ張りがあるタイプと全体が細かな柚子肌状で艶の弱めのタイプとがあり、こちらは後者のタイプです。これより焼成温度が低いと甘焼きになってしまうので数も極めて少ない物です。こちらにはありませんがタンパンや焦げがじわりと滲むように入る名品黄瀬戸もこの上がりです。縁に2か所欠けの金直しがあるのが惜しまれますが手元に来たのはこの傷のおかげです。あぶらげ手を手にするといつも思い出すのが酒器対談で辻清明氏が「うにを盛って食べた後で燗酒を注いでキュッとやる。これがホントのあぶらげ手の味なんだね、チャリチャリっとして」と言う文章に魅せられて何度となく真似をしたものです。酒器には大きいですが落手した方にはぜひやってみていただきたいものです。10年に1つか2つしか出会えない究極あぶらげ肌の黄瀬戸馬盥向付を特別出品です。箱あり。・口径11.8〜12センチ・高さ2.9〜3センチ・桃山時代 ※新規の方、評価の悪い方の入札は取り消す場合があります。商品到着後は速やかに取引ナビの受取連絡を入れて下さい。