◆準美品
◆メンテナンス済み動作品
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◆TRIO KA-9300プリメインアンプ

STEREO INTEGRATED AMPLIFIER 1976年 ¥150,000

【商品状態】
使用に伴う細かな傷等はありますが、目立つ傷や汚れ等なく、発売された年代を考えたら美品だと思います。
全面も比較的美品です。

RCA端子にて全ての入力で映像と音出しの確認済みです。(専用機器が無いため録音専用の出力RCA端子は確認しておりません。)
●全てのスピーカーチャンネル出力から音出し確認済みです。
●L-Rスピーカーのバランス良好。
●BASS,TREBLE問題無し。
●レコード再生問題無し。

【メンテナンス内容】
●TREBLE、BASSのロータリスイッチの分解洗浄(無水エタノール)
●気になる様なガリは有りませんが、BALANCEのロータリースイッチにガリがあります。
主観ではありますがそこまで気になる様なガリではありませんでした。触らなければ出ません。
分解洗浄をしようと思ったのですが、バランスのロータリスイッチがあまりにも複雑過ぎて、分解して元に戻らない可能性がありましたので、メンテナンス不可と判断しました。
動作確認動画でバランスを触っているところがありますので、動画にてガリを確認して頂けますと幸いです。

【動作確認動画】

https://youtu.be/O0_ofae2fiQ

【付属品】
本体のみ

【主観感想】
音楽の実在感を生き生きと聴き手に伝えるという意味で、なかなかの出来栄えだと思います。いくらか硬目の音で、自己主張の強いところがあるから、そこが好き嫌いの分れ目になるが、音の鳴り終えたあとの余韻が空間に美しく響きながら消えてゆく感じの再現力からも、優れたプリメインであることがわかると思います。

【商品説明】
1976年にトリオ(現ケンウッド)が発売したプリメインアンプ。プリメインアンプとしては初めてDCアンプ
をメインアンプ部に採用し,DCアンプブームを巻き起こしました。そして,このKA-9300以降,DCアン
プが一般的なものとなりました。

DCアンプは,その名の通り,直流領域まで増幅性能を持つアンプで,そのために,信号経路からカップ
リングコンデンサーを排除したもので,当時,トリオではNFループ内にもコンデンサーを持たないことを売
りにしていました。当時,OCL(アウトプット・コンデンサーレス),ICL(インプット・コンデンサーレス)とい
うように,信号経路からコンデンサーを追放しようとする発想が広まり,「DCアンプ」とともに「ダイレクトカ
ップリング」と称されて,各社に一気に広まっていきました。
現在では常識となっている,信号経路,NFループ内に時定数を形成するコンデンサーを持たないDCア
ンプとすることで,低域の位相特性の向上,過渡応答特性の改善,超低域の安定した再生など多くの
メリットがあったようです。
KA-9300では,このDCアンプをプリメインアンプとして初めてパワー部に搭載し,KA-7300以来の
左右独立電源と組み合わせ,その後のトリオ(ケンウッド)のアンプの基本を完成したともいえるモデル
でした。

パワーアンプ部は,初段FET差動増幅+定電流駆動A級増幅+純コンプリメンタリー・パラレルプッシュ
プル増幅によるICL・OCL・DCアンプという回路構成で,20Hzから20kHzまで120W+120Wの出
力を低歪み(歪率0.05%)で保証したハイパワーアンプとしていました。
初段FETには,高入力インピーダンスで特性の揃ったデュアルFETを採用し,3段差動増幅段は,裸利
得が大きく十分なNFBをかけ,プリドライバー段の負荷回路を定電流化してパワートランジスタのバイア
スを安定化電源として,広帯域で低歪率で安定した特性を確保していました。

イコライザー部は,差動増幅+A級増幅+ソースフォロア+定電流負荷A級増幅の初段差動増幅4段直
結オールFET・ICL方式となっていました。
初段差動増幅は,NチャンネルFETを使ったダイレクトカップリング方式として,位相まわりの特性を改善
し,ドレインにはごく低い電圧をかける回路とすることで,雑音の少ない回路としていました。4段直結回
路は裸利得が大きく,十分なNFBと定電流回路の採用で,低歪率を実現していました。
また,PHONO入力は2系統搭載し,金メッキ端子となっていました。PHONO1は,カートリッジに合わ
せて,入力インピーダンスが3段切換ができ,PHONO2はMCカートリッジにも対応して,連続してゲイ
ンのコントロールができるようになっていました。

トーンコントロール回路は,初段差動3段直結フラットアンプ+NFB型TREBLEコントロール+NFB型
BASSコントロールの構成となっていました。
フラットアンプの初段には,定電流負荷回路を持つFET差動増幅ICL方式,出力段には定電流駆動バッ
ファーアンプを用いた±2電源3段直結回路を採用していました。これにより,ボリュームによるノイズ変
化が少なく,安定性にすぐれた低歪率設計となっていました。
トーンコントロールは,左右のトーンが別々にコントロールできる左右独立式で,ターンオーバーもBASS
150Hz・400Hz,TREBLE3kHz・6kHzのそれぞれ2段階に切り換えられるようになっていました。

電電部は,トリオ自慢の左右独立電源で,レギュレーションがよくリーケージフラックスの少ないトロイダ
ルトランスを左右独立で2個搭載し,18,000μFの大容量コンデンサーを4本使用したプリ部からパワ
ー部まで左右完全2電源方式としていました。また,イコライザー,コントロールアンプのローレベル用電
源には,左右別々のレギュレーターを使用して,パワー部の大入力信号の影響を抑えるようになってい
ました。

ボリュームは,43ステップのアッテネーターで,レバー式3ステップのアッテネーターを組み合わせるこ
とで,広範囲の音量調整が可能となっていました。また,プリ部とパワーアンプ前段に同形式のアッテネ
ーターを使用した4連構成として,聴感上のSN比を改善していました。
フィルター類は,定電流負荷回路を持つ低歪率設計NF型アクティブフィルターで,サブソニックフィルター
とローフィルター,ハイフィルターを搭載していました。また,ラウドネスコントロールは,4ステップ切り替え
式となっていました。

その他,スピーカー端子として,A,B以外に,スピーカー切り換えスイッチの接触抵抗を通らず,プロテク
ションリレーから直接スピーカー端子につながる「スピーカーダイレクト端子」を搭載していました。

以上のように,KA-9300は,プリメインアンプとして初めてDCパワーアンプを搭載し,基本に忠実なオ
ーソドックスな設計で,後のプリメインアンプに大きく影響を与えることとなりました。トリオらしいかっちり
としたクリアな音が特徴でした。