保管箱に「観寿院殿御霊前 錫菊紋附 御茶碗 御茶台蓋 」の墨書きがあります。茶碗、台および蓋には、それぞれ3個の有栖川菊紋が彫られています。茶碗の底には、京錫屋源兵衛の文字が刻印されています。
戒名に、院殿号が使われています。院号が皇族以外の身分の者にも比較的広く用いられるようになったのに対し、院殿号は歴代将軍をはじめ大名に限られ用いられるようになったことで、希少性の点から逆転し、いつしか最高位の戒名として認識されるようになってきたとのことです。
また、有栖川菊紋とは、「十六葉菊」の中心に「八重桔梗」を据えて描いています。宮家の有栖川家が用いた家紋のため「有栖川菊」と呼ばれています。
本品は、観寿院殿という戒名をもつ歴代将軍か大名、あるいは宮家の有栖川家にゆかりの人物の法事のために江戸時代に製作されたものだと思います。江戸時代の錫製品の最高の品質を持つ逸品です。文化財としての価値は高いと思います。

【サイズ】
 直径(台の受け皿)14cm、胴径(茶碗)9.5cm、高さ20cm

【その他】
使用痕の擦りキズ、アタリ、へこみがあります。
 
 【入札前に必ずお読みください】
・本品は古美術ですので経年に伴う汚れの他、写真では捉えきれていない傷や割れや直し等がある場合もございます。その様な個所は出来るだけ現状を伝えるように努力はしておりますが、当方での見落としがありうる場合もゼロではございません。この点を理由とした返品は遠慮頂いています事、ご理解の上ご入札ください。気になる箇所がある場合は事前の質問をお願いいたします。

・製作年代等の説明書きは、あくまでも当方(骨董収集歴30年以上)の個人的な見解に基づくものであって内容を保証するものではございません。見解の相違に基づく返品はお受けいたしかねますので疑問がある場合は入札をお控えいただきますようお願いいたします。

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