EMG Mark IX (マークナイン)です。
<品名>蓄音機
<付属品>特になし
<程度>
 外観的には、1920-30年代のものですので、金属部にはさびがあり、ホーン表面や木部にもそれなりに傷がありますが、英国アンティーク家具修理のプロに修復していただいており、アンティーク品としての雰囲気は抜群で、機能に問題のある部分の瑕疵はなく、全体としてはとても状態の良いものだと思います。
 ホーンには、ご覧のように開口部にわずかな歪みと、いくつかの傷はありますが、傷はしっかりと補修されており、全体としてはいい状態だと思います。

 この個体は、PaillardというスイスのメーカーのGGR255という2丁ゼンマイモーターを搭載しています。このタイプはあまり見ることがなく、比較的珍しいものといえると思います。
 手元に来たときは、グリスが固まっていて動作しませんでしたが、ゼンマイも含めて部品一つ一つを分解して洗浄してグリスアップしたところ、非常にスムーズに回転するようになりました。
 回転時、わずかにガバナーが「キュルキュル」という音を立てることがありますが、回転に影響はありませんので、ほとんど気にならないレベルだと思います。
 ターンテーブルのマットは画像のゴム製のものが付属します。
 アームはEMGのグースネックで、サウンドボックスは2スプリングの馬蹄型です。
 ダイヤフラムのガスケットゴムは一度交換されており、本来の柔らかさを保っています。
 また、サウンドボックスの歌口部のゴムは硬化していましたので、海外より取り寄せたオリジナル同様のゴムスリーブに交換してあります。
 出品にあたり、丁寧にクリーニングしてあります。
 音出し動作に問題ありません。SPレコードが、すばらしい音で再生されます。
<コメント>
 蓄音機のロールスロイスとも呼ばれる、EMGのMarkIXです。
 1924年に設立されたEMG社は、パピエマシェといわれる紙による大型ホーンを用いた再生装置により、当時としては画期的でハイファイな音楽再生を実現しました。
 このMarkIXはEMGの蓄音機の中でも比較的コンパクトなサイズ感で、とても扱いやすいものだと思います。
 よく博物館等で飾られているような時代のものです。
 当店ではこれで三台目のマークナインですが、スイス製のモーターのこのタイプは、コラーロなどのものと比較すると、少し優しく、繊細な感じをうけます。ガバナーの調整の部分やメインシャフトの軸受けの構造が異なるので、違いが表れてくるように思いました。
 音楽再生の機器としてもそうですが、アンティークの品としても大変貴重なものだと思いますので、是非この機会にどうぞ!!
 確認のための再生動画をアップしましたので、よろしければご覧ください。 こちらです。
<主な仕様>
ホーン開口部寸法:横54㎝×縦58.5㎝の楕円形
プレーヤー部寸法:幅45㎝×奥行55㎝×高さ28㎝(ホーン取り付け部除く)

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大変大きく、貴重なものですので、できるだけ実費にて配送したいと思っています。
もちろん直接の引き取りも可能です。ものは東京都府中市にございます。
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予定では厳重に梱包の上、日通のアロー便で送る予定です。

外見に関するクレームはお受けできません。よくよく画像をごらんの上、納得してご入札ください。
気持ちのよい取引を心がけたいので、過去に悪い評価が多い方は入札を削除する場合もございます。
大切に使っていただける方にお譲りできればと思っています。
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それでは、よろしくお願いいたします。