1907-2009 茨城県生まれ、文化功労者・日本芸術院会員・東光会会長・日展顧問、熊岡美彦が設立した熊岡洋画研究所に学ぶ、1970年 日本芸術院賞を受賞、1993年 文化勲章受章、森田の画業は初期から慎ましい庶民の生活の情景に取材した制作が多く，神事や奉納舞への興味もそれに根ざしていた、黒川能を描いた作品は，次第に対象の視覚的描写に留まらず，幾度も絵具を塗り重ねてつくる重厚なマチエールと抽象化されたかたちによって，場のエネルギーといった不可視のものを描き出すようになっていった

本作は「黒川能」油彩 8号 日本洋画商協同組合鑑定書付 真骨頂の黒川能。
いずれの能楽の流派にも属さずに独自の伝承を続け、500年ものあいだ受け継がれて来た庄内地方固有の郷土芸能・黒川能。紫の羽織をまとった能楽師や、四方に広がる、青・紫・黄などの色を多用した色鮮やかな色彩が美しい。
絵具を幾度にも塗り付けたゴツゴツした重厚な画面で描かれた、その場のエネルギーをも可視化したような、怪しく幽玄な色彩が際立ちます。
画伯得意モチーフにして、大変出来の良い黒川能の名品です。