こちらは、わかば書房より出されていた貸本漫画誌「花19」です。1960年9月以降の刊行。表紙・高橋真琴、扉・目次ー清水ひとよ、楳図かずお「月見草と少女」(2~33P )、田中美弥子「風の子さん」(34~78P)、浦きよみ「影(かげ) 少女異色怪奇幻想漫画」(79~135Pの大作)、佃竜二(今のビッグ錠)「デブッチョ百貫匁」(136~175P)など掲載。


貸本としては悪くないですが、少し汚れ、それにふち欠けなどやや見られます。落丁はなし。176Pそろい。


楳図かずお作品は毎回乗っていたわけではないので見れるのはラッキーな巻です。「月見草の少女」は楳図先生が時代情緒ものにチャレンジした意欲作。


病弱な美しい少女、言葉も話せない少女がふとしたきっかけでがけから落ちてしまい、子供のいない老夫婦に拾われる。少女は母を思うもどうにもならず、月見草のあった場所を嘆くばかり。しかし、奇跡的に1輪の月見草が芽吹き成長し、誘います。感動の物語。


浦きよみ先生の「影」は当時、楳図フォロワーであった彼女がついに、楳図かずおばりの怪奇漫画を描いた彼女の貸本漫画では最高傑作で、肖像画を描いていた2人の少女の物語。2人で一緒に完成させると約束。死んでも影だけ残しても描きあげると奈美子さんは語り、ミハルは冗談だと思って受け流していた。


1年が過ぎ、自分に寄りそうなぞの影に気づき、なんと自分の影もそれにつられてどこかへ消えてしまう。影がないことに狼狽。やがて病に倒れ、動けないのに自分と奈美子さんらしき少女が絵を描いているらしいことを聞く。「そんなばかなはずはないわ。あたしはここにいるのに」何が起きているのか。そして2枚の肖像画が完成されたことを知る。そこに衝撃の事実が。


佃竜二(ビッグ錠先生)の「「デブッチョ百貫匁」はおデブのけい子ちゃんが主人公で、美少女の姉にも少し疎まれている。一緒に見られたくないと。ダイエットしようも失敗。ふとしたことで、足がまともに動けない坊ちゃんの友だちになることに。


そして歩く練習しているうちに歩けるように。時は不況。母にリストラが迫る中、実は坊ちゃんの父が母のいた会社の社長と知る。そして坊ちゃんがゥ歩けることに感動してくれたその父親の社長が粋な計らいを。ようようと歩くけい子ちゃん。最後が素敵です。


簡略ですが、3人に絞ってあらすじを書きました。後は見てのお楽しみです。


こちらはレターパックライトなら無料です。送金が早ければ即送れます(だいたい本州は翌日には着きます)。防水対策もしてお送りします。「花20」「花21」「花 秋増刊号」出す予定です。複数冊の場合、ゆうパックに変更ですーただでサービスします。

(2022年 12月 2日 2時 30分 追加)
追加の写真、大きめにアップしました。
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