医師/予言者ノストラダムス 波乱の生涯を描いた初のコンセプト作 Judas Priest 大傑作「Nostradamus」二枚組特殊仕様国内仕様盤 未開封新品
御存知!医師/予言者ノストラダムス 波乱の生涯を描いた初のコンセプト作 Judas Priest 大傑作「Nostradamus」二枚組特殊仕様限定盤 国内仕様盤未開封新品でございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Glenn Tipton(G、G-Synth、ex-Flying Hat Band)、K.K.Downing(G、G-Synth、現KK's Priest)、Rob Halford(Vo、Halford兼任、ex-Fight、Two)、Ian Hill(B)、Scott Travis(Ds、Racer X兼任)となります。
ゲストに名手Don Airey(P、Key、現Deep Purple、ex-ColosseumⅡ、Cozy Powell's Hammer、Gary Moore/Black Sabbath/Michael Schenker/Whitesnakeセッション、Rainbow、Ozzy Osbourne Band、Jethro Tull他)、
Pete Whitfield(Strings)となります。
プロデュースはGlenn TiptonとK.K.Downing。ミキシングはかのAttie Bauwと前述二名。
2006年8月~2007年4月英国イングランド・ウスター州ケンプニー”The Old Smitty Studios”での録音制作、
2007年11~12月オランダ・アムステルダム”Bauwhaus”(Attie Bauw所有スタジオ....興味深い名称ではございますが.....)にてミキシングとなります。
元々は大傑作”Defenders of the Faith”後の新作企画。
バンド側はレコード会社にこの企画を持ち込むも、”Defenders of the Faith”のセールス不振を理由にあっけなく却下。
(大傑作”Screaming for Vengeance”セールスの四分の一以下とか...........)
諦めないバンド側は「メタル」「ポピュラー」の二枚組企画を再び持ち込むも却下。
結局「ポピュラー」のみの企画となり、かの”Turbo”が登場する事となります.................
(この”Turbo”、当時は問題作扱いとなりましたが、音造りの有り方だけの問題。従来のハード/ヘヴィ音であれば何の問題もなかった感............)
後々の分裂後、双方低迷の紆余曲折を経てRob Halford復帰。
”Metal Gods”の威厳復活そして復活作品制作・リリース/ツアーと大好評を博す事となりますが、度重なるツアーと加齢問題による疲労の蓄積が重なっており、バンドは様々な今後の選択を逡巡する事となります。
解散、作品制作のみ/ツアー規模縮小、ツアー活動停止等々とバンドの頭に擡げて行く中で、嘗ての御蔵入り企画が気に掛かる事となります。
そしてバンド内に今後の様々な考えが巡る中、一つの節目としてその御蔵入り企画の実行を目論む事となります..................
創作・制作を進める中、その企画にレコード会社は非常な難色を示す事となりますがバンド側の意思と熱意は変わらず。
非常に粘り強い交渉の末、2007年11月からのミキシング末期に企画を通す事に成功。
2008年6月ようやくリリースに至る.............という経緯がございます....................................................
さて今作。
かのノストラダムスの生涯を描いたJudas Priest初のコンセプト作品でございます。
予言者として知られたノストラダムスではございますが、そもそもが医師であり、かのペストと戦った人物。
またその登場を幻視・危惧し世に訴えるも迫害に遭い、追放。
そしてそのペストの災禍で妻子を失うものの再び医師としてペストに立ち向かう事になりますが、
その中で神秘学に目覚め、天文による世の異変の関係を認めた暦書を作成(かの安倍晴明公に通じる感が........)、世に大きな反響を呼ぶ事となります。
そして更にそれを進めた幻視による予言書を作成出版し始める事となります。
権力側の賛否を呼ぶもののその中枢からアプローチを受け、受諾。宮廷医師を含めた活動を行っていく事となります................
そして自らの死を予言。
自らが見た幻視とは?人類の未来とは?を自らの予言書に託し、後世に委ねる.........................................という感のあるコンセプトでございます。
また誤解と迫害という困難な人生であったノストラダムスの生涯に”HM/HR”という音楽の長い道程を重ね合わせている感がございます。
当時はRob Halfordの加齢によるヴォーカルの変化が強く感じられており、中低音域中心で表現力重視に舵を切った事から音楽性もそれに合わせたもので、
英国/ヨーロッパ系のメロディ重視がミソでございます。
また当時は前述の様々な今後をバンド側が逡巡し続けていた事があり「一つの節目」と言えるもので、一つの纏め。
一連のJudas Priest作品の中では非常にメロディ重視で非常に感傷的な感がございます。
また八十年代やかの大傑作”Painkiller”以降では見られなかった強い英国/ヨーロッパ系のアート・ロック的な抒情性やメロウさがミソ。
更に構築/シンフォニック系アート・ロックの有り方を参考にした感が窺えるもので、(コンセプト大傑作が1974年に多く揃った)「七十年代英国系アートロック色」を非常に強めた感がございます。
(元々HM/HM自体がこの中から登場したものでございますが.........
そもそもRob HalfordはかのKing Crimson大傑作”In the Court of Crimson Kings”や初期Queenを好んで聴いていたというもの。
また初期におけるJudas Priestの音楽性変更に当たり、上記の音楽性を参考にした感。
その音楽性変更の方向性を主導したGlenn Tiptonは更にKing Crimson大傑作”Red”を参考にした感有り。)
コンセプトで楽曲がそれぞれ繋がりと流れを汲む組曲方式を用いたもの。
二枚組で二曲という長尺感が有りファンに賛否両論を呼びましたが、
そもそも今作の当初の企画時期がかの英国プログレッシヴ・ロックの名バンド”Marillion”のかのコンセプト大傑作”Misplaced Childhood”創作・制作の時期と重なるもの。
(八十年代というプログレッシヴ・ロック不毛の時代にコンセプト作品。そして英国では大ヒットというもの........................作風に類似感が........
またJudas Priestが影響を与えた”NWOBHM”に呼応し勃興したのが、このMarillion/Pendragon/Solstice/IQ/Twilfth Night/Pallas等登場した
かの”Pomp Rock Movement”。
聴衆がかなり重なっており、またかの名手Janick Gers(現Iron Maiden)を創作中心に置いたNWOBHM名バンド”White Spirit”等音楽性がリンクしており、
後にはそのJanick Gersが初期Marillion看板名手ヴォーカリスト”Fish”1st大傑作”Vigil in a Wilderness of Mirrors”に一曲演奏/創作参加というもの。
未参加の他楽曲をIron Maidenが改作............というオチもございますが.............................)
非常に興味深いものがございます.........
正直、ヨーロッパ系歴史大作映画や書籍という感のある作品。
(英国的でありながらもコンセプトの舞台からフランス的な洒落た・洗練された感のあるメロディ感覚も非常に興味深いもの........................)
歌詞やブックレット内のバンド自身による解説を読み理解しながら..........という作品の感がございます。
インストパートが非常に感傷的で聴き手の想像力を映像的に掻き立てる感が有り、非常に興味深いものがございます。
「我が見たものは神と人類の間のマニフェスト。時を超え人類のその行いにより意味が変わっていく」が肝の感がございます.......................
またAttie Bauwのミキシング起用がミソ。
そもそもライヴに比べスタジオ録音作品はギター音が細いとの指摘が予てからあり、それを補った感が窺えるもの。
全盛期ライヴ(嘗ての映像作品”Judas Priest Live !”とでも申しますか.....)の音質やかの”Halford”での音響面実績を鑑みた感がございます。
加齢による衰えを感じさせるとは言え、感情表現に舵を切ったRob Halfordのヴォーカルは長年の実績を感じさせるもの。
ワン・スタイルとして揶揄されますが、今作では大作主義に対応可能で巧みさと幅の広さという器用さ・繊細さを強く感じさせるもの。
Glenn Tipton/K.K.Downingの鉄壁ツイン・リードは言わずもがな、でございますが、今作がメロディ重視。
英国系ツインリード・ギターの歴史を垣間見る感がございます....................
Ian Hill/Scott Travisのリズム隊でございますが.............
Scott Travisが前任名手故Dave Hollandの堅実な演奏スタイルを強く取り込んだ事で、鉄壁なリズム隊を構成。
Ian Hillとのリズム相性も非常に強固なものとなり、またScott Travis本来の手数の多さがあり、現メタル界屈指の名リズム隊と言えるもの。
音楽性にスケール感と躍動感を生み出し、今作の構築性に風格を加えた凄みを感じさせるものとなっております。
またゲストである名手Don Aireyのピアノ、オーケストレーション・キーボードや教会オルガン系キーボード演奏が非常に効果的。
明らかにアカデミック感を背景としており、(ハイテク感ではないものの)非常に印象的。
王立音楽院出身という事が有り、音楽性に自身の音楽的興味が強くそそられると演奏含め積極的な介入をしてくるという名手でございますが、
それを窺わせる出来と貢献でございます...............
”Metal Gods”と称され崇め奉られるJudas Priest自体が英国アート・ロック界出身である事を窺わせる今作でございます.........
リリース後は何と!バンドの全米チャート最高位を記録。
大作主義で非常な賛否両論を呼ぶものの、前作よりもセールスが上回る事となります。
バンド側は作品完全再現ライヴを目論みますが、ファンや関係者等を含めての諫め(笑)に遭い、敢え無く却下。
(かの”Iron Maiden”が完全再現ツアーを行っており、正直観てみたかった感がございます..........Rob Halfordはその企画を今尚希望しているとか..............)
嘗ての大傑作”British Steel”リリース25周年記念企画へ変更と相成ります.............................
制作前から逡巡し続けたバンド今後の選択でございますが.......................
リリース当時はツアー後解散が決定していたものの作品やツアーの大好評からバンドの選択が逡巡し続け、作品制作は継続、ツアー規模縮小、と変化し続ける事となります.............
されど、K.K.Downingは当初の「解散」を選択しており、ツアー中からミュージシャン引退後の活動を計画。
ツアー後に「バンド存続」の意向をGlenn Tipton等から伝えられ、憤慨。
話し合いが持たれるもののK.K.Downingの意思は固く、バンド側と亀裂が強く生じ修復は不可能となり、あっけなく脱退する事となります........
バンド創作中心の一角が崩れた事でバンド側は戸惑いを見せるものの、後任の選定に勤しむ事となります......................................
現在は入手が困難。この機会に是非。