六帖詠草 全七冊の内「春」欠本の六冊 小沢蘆庵(玄中)作 文化八年


25.7×18.3㎝

丁付け。地(下部)の綴じ代を開くと、かろうじて丁付けが見える。

全七冊の内、「恋」が抜けている。

一 春 3丁+47丁
 文化元年、織田信憑序 2丁半
 本文 47丁

二 夏 38丁

三 秋  31丁半(裏表紙裏)

四 冬  19丁

  欠本(五 恋)

六 雑上  53丁半(裏表紙裏)

七 雑下 21丁+2丁
 雑体 21丁
  ・長歌
    ・旋頭歌
    ・物名(歌の言葉の中に物の名を潜ませる。)
     例えば 四首目 赤坂
        秋の月むかしのあかさかはらめや
                      赤 坂
        かすむはおいのなみたなるへし
    ・阿字を冠して円形に書く
     上記の歌を並べ直した歌の各句の頭をあつめると「阿弥陀不都(阿弥陀仏)」となっている。
    ・双六(すごろく)歌
    ・俳諧歌
 跋 小川萍流 2丁

小沢蘆庵(玄中)作。小川布淑・前波黙軒編・校。(新日本古典籍総合データベースに依る)

文化八辛未歳晩春
    二条通富小路東ヱ入町
 京師書林 吉田四郎右衛門梓行

※六冊目の本の裏表紙の紙の間に、『六帖詠草』を巻いている筒状の紙を発見。確かに、もう一冊入るスペースはある。表書きに「小澤蘆庵歌集 六帖詠藻」とある。

※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み、虫食いあり。

 「春」および「雑下」の二本について、糸切れが酷かったので、似た色の糸でかがり直した。後世の人の手が入った物を厭う方は落札については、遠慮下さっても良いです。