◆今年は伝統調律が流行るかも? 地無し尺八1尺7寸(E♭) ◆REIZAN TUNED Shakuhachi
bamboo108さんの動画に触発されて
尺八界の大御所bamboo108さんがYoutubeで伝統調律尺八の良さをアピールされています。長年のご経験から現代尺八と伝統尺八のそれぞれの特性を理解された上で素朴な伝統調律の「竹笛」を作りながら、伝統調律の復権を目指していらっしゃいます。REIZANはこれまで量産尺八を泉州や龍畝などの現代尺八に近づける改造を行なってきました。やはり「良く鳴る」「大きな音が出せる」「ピッチが正確」な尺八を求める人が多いからです。しかし昨年末のbamboo108さんの動画をみて「こういう改造もありだな」と刺激を受けて、手元に残っていた伝統調律のこの地無し尺八を出品することにしました。
伝統尺八の調律にも一理あり
伝統調律の1尺8寸管では「チ」を吹くときに指をかざしたり少しメリ操作を加えないと「ラ」の正しい音程は出せません。しかし「チのカリ」が使えて「シ♭」の音程が楽に出せます。特に甲音では「ヰ」を用いると現代尺八よりも容易に出すことができます。(訓練すれば大甲のツも出せそうです。)メリカリが上手に使える人であれば伝統調律は全く苦になりません。
エッジの浅い尺八は息の出口をエッジに限界まで近づけることによって深いメリ操作が可能になります。また緩い舌面角は息の強さで音程を大きく変化させることができます。この2つの相乗効果によって、伝統尺八ではメリ操作によって音程を1音以上(1音半ぐらい)下げることができます。アゴのメリ操作をしっかりすれば6〜7割の塞ぎ方でも正しい音程でびっくりするぐらい大きな音量で半音が出せます。
まずは試してみよう、伝統調律
今回の尺八は柔らかい音が魅力の地無し延管の1尺7寸管です。7寸管は♯や♭がたくさんついた調性の演歌や、途中で半音上がる転調のあるJPopなどで重宝します。まあ実際に使う場面は少ないのですが、8寸管の練習に疲れた時などの気分転換には最適です。8寸管より半音高いだけですが軽やかな音が出せますしメリカリもよく効きくので鼻歌を歌うように吹けたら最高です。伝統調律では自分が出したい音のイメージをしっかり持っていないと「音痴」になりやすいですが、そこが面白いところなのです。
【諸元】長さ500mm 重さ245g 頭部直径34mm 底部直径53mm 歌口内径縦19.5mm 横19.5mm エッジ深さ2.5mm 最大指孔10mm
(留意事項)
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