加藤紋右衛門 還情園 池紋 染付花鳥図竹筒形大花瓶 明治 瀬戸焼 川本桝吉
明治期瀬戸を代表する六代加藤紋右衛門の染付竹筒形大型花瓶を出品致します。寸法は高さが64cmの大花瓶です。欧米ではステッキ立てとしても利用されていたようです。高台部に有田焼のような目跡が無く、内側の底面や側面に施釉していない部分がありますから、焼成時は逆さまにして窯に入れたようです。これだけの大きな作品を手作業で歪みなく竹筒形に成形焼成する技術は驚異的です。染付は典型的な瀬戸焼の南画風の花鳥図ですが、これも一気に描き上げた見事な出来栄えです。
紋右衛門は、尾張瀬戸の陶家。代々紋右衛門を襲名。明治3年に六代目を襲名した加藤紋右衛門は、「還情園」或いは「池紋」と号しました。本作品にも使われている銘です。
輸出用磁器に早くから対応し、本作のような大物造りで名を馳せ、鉄青磁・クロム青磁の改良にも貢献しまた。また、当時の最新技法であった釉下彩にも積極的に取り組み、高水準の優品を幾つか残しています。
1876(明治9)年に米国フィラデルフィアで開催された万国博覧会には、瀬戸からは川本桝吉・加藤五助・加藤繁十・加藤周兵衛と共に加藤紋右衛門も多くの優品を出品し、欧米の美術館がその殆どを買上げ、収蔵品としています。
加藤紋右衛門は58歳で早逝していますから、作品数はさほど多くありません。これらの事項を考慮すると、本出品作が如何に貴重であるかご理解頂けると思います。
写真でご確認頂ける通り、保存状態は極めて良好です。ワレ、カケ、ヒビなどの瑕疵はなく、伝世品にありがちな擦り傷なども全くなく、ほぼ新品と言っても良い保存状態の良さです。
尚、私の説明文と写真をそっくりそのまま盗用して、格安で販売しますという詐欺サイトが散見されます。呉々もご注意下さい。私がその様な詐欺サイトに並行出品していると勘違いされた方から、聞くに耐えない酷い罵詈雑言を浴びせられたことがありますが、私はオークションサイト以外には出品しておりません。