春日彦二の長編探偵小説『愚女の巣』(浪速書房)


浪速書房。非貸本。1960年刊、初版。カバーの端に少裂け、表面に少スレ・傷、背に褪色。カバー・本体ともに経年のシミ・汚れあり。本の天地に小さな丸い印(「合」の一文字)。装幀:上西康介

【内容紹介】
 江戸川乱歩賞に応募した作者の入手困難な処女長編『赤と黒殺人事件』(1960)よりも出現率の低い第二長編で、「あとがき」によれば、「大衆的なものを謎と推理のプロットでくくった」とのこと。
 自称、商事会社の部長、その実はアルサロ(アルバイトサロン)のバーテンが、大阪の繁華街のホテルの一室で、ガス中毒死しているのを発見される。数日後、外套の下は一糸まとわぬ全裸で、客の前でパッと外套の前をひらいて度肝を抜かせる女が、別のホテルの一室で、全裸のまま大理石の浴槽に沈められ、溺死させられている状態で、見つかる。このふたつの事件の捜査がなかなか進展しないなか、カフェの女給の失踪事件、さらにはその事件の鍵を握っていると思われる社長の拳銃自殺まで出来し、情報収集にあたっていたとある人物が不運な死を遂げる事態まで起きる。
 物語の終盤近くで、内偵や潜入捜査をしていた人物が次々明らかになるなど、とにかく錯綜に錯綜を重ねたプロットの長編で、個々の登場人物たちの関係性もにわかには覚えきれないほど複雑にからみ合っていることもあり、メモを取りながらの読書がお勧め

*画像はカバー保護用の透明なOPPカバーをかけた状態で撮ってあります

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