批評集成・源氏物語全5巻揃絶版

定価:71500円

A5判上製クロス装／函入

近世から現代にかけて、人々は源氏物語になにを見出してきたのか。戦時下の弾圧資料を含め、各時代・世代の文学とその周辺領域の多彩な論考を集成し、源氏物語の本質に迫る。

批評集成・源氏物語１近世前期篇

源義弁引抄・巻一（一華堂切臨）／光源氏物語大意（加藤磐斎）／源氏鬢鏡（小嶋宗賢・鈴村信房）／女郎花物語・抄（著者未詳）／伏屋塵（後水尾院）／本朝通鑑・抄（林鵞峰）／湖月抄・発端（北村季吟）／源氏外伝・序（熊沢蕃山）／続無名抄・抄（岡西惟中）／本朝美人鑑・抄（作者不明）／源注拾遺・大意（契沖）／紫家七論（安藤為章）／一簣抄・総論（近衛基熙）／源氏物語新釈・惣考（加茂真淵）／紫文要領（本居宣長）／源氏物語年紀考（本居宣長）／ぬば玉の巻（上田秋成）／ほか

批評集成・源氏物語２近世後期篇

源氏物語ひとりごち（伊勢貞丈）／紫文紅筆（橘たか）／源語提要（村田春海）／源氏物語玉の小櫛巻一・二（本居宣長）／花月草紙・抄（松平定信）／雨夜閑話・抄（葛西因是）／宇津保物語玉琴・抄（細井貞雄）／卯花園漫録・抄（石上宣続）／日本紀の御局の考（藤井高尚）／源氏物語大意（弄花軒祖能・天野直方）／少女巻抄注（鈴木朖）／源氏物語ひも鏡（堀内昌郷）／海人のくぐつ・抄（中島広足）／源氏物語評釈・惣論（萩原広道）／難波江・抄（岡本保孝）／ほか

批評集成・源氏物語３近代の批評

●明治・大正期の『源氏物語』評論源語奥旨（近藤芳樹）／『日本文学史』第三編第三章（高津鍬三郎・三上参次）／紫式部の人生観（梅沢和軒）／源氏物語に就て（依田百川）／源氏物語と紅楼夢（学海居士）／平安朝文学と人生（境野正）／源氏物語の片影（海人の子）／源氏物語（三井甲之）／ほか

●文学者たちの『源氏物語』像石山寺へ「ハムレット」を納むるの辞（古藤庵）／後世への最大遺物第二回（内村鑑三）／半文銭（齋藤緑雨）／「新訳源氏物語」序（森鴎外）／『新訳源氏物語』序（上田敏）／「源氏物語」（田山花袋）／文芸的な、余りに文芸的な（芥川龍之介）／ほか

批評集成・源氏物語４近代の創見

●『源氏物語』研究の展開文章としての中古文（五十嵐力）／源氏物語に就いて（津田左右吉）／源氏物語について（和辻哲郎）／草木を愛し自然を喜ぶ（芳賀矢一）／ほか

●『源氏物語』からの創造末摘花（堀辰雄）／花散る里（立原道造）／夢の浮橋（蓮田善明）／浮舟（川端康成）／源氏供養（三島由紀夫）／源氏の君の最後の恋（ユルスナール,マルグリット）／石山寺の月（田辺聖子）／〈紫上〉上演詞章（深瀬サキ）／ほか

●『源氏物語』の訳者たち海外における『源氏物語』（小西甚一）／アーサーウェイリーとジャック君（岡崎久彦）／残照の人（出淵博）／『源氏物語』を読んで（ウルフ,ウ゛ァージニア著）／ほか

批評集成・源氏物語５戦時下篇

●源氏物語劇上演の受難「源氏物語」劇に受難上演眼前に禁止（朝日新聞）／回想・受難の「源氏物語」（坂東三津五郎）／ほか

●国体のなかの源氏物語源氏物語は大不敬の書である（橘純一）／源氏物語と国民文学（舟橋聖一）／ほか

●『潤一郎訳源氏物語』をめぐって修正された源氏物語（塩田良平）／あの頃のこと（谷崎潤一郎）／ほか

●『むらさき』の創刊と推移