八咫烏銭(神武東征の金貨) 伊賀國名張郡 量目約13.8g
古事記日本書紀によれば、後に神武天皇となる神日本磐余彦(カムヤマトイワレビコ)は紀伊から大和に向かう東征の最終段階で八咫烏と呼ばれる霊鳥に助力されました。即位後、家臣や協力者に論功行賞として鋳造配布されたのが「八咫烏銭」です。これは研究者によって付与された名称で、貨幣コレクターの間では「神武東征の金貨」とも呼ばれています。が、それはコレクターの期待を反映した伝承であって、実際には紀伊半島土着の豪族が東征軍に帰順した後に鋳造流布した古代通貨であったのが真相のようです。神話における八咫烏とは、実在の鳥類ではなく、帰順した豪族を象徴的に示すとの説が有力です。当時の紀伊半島には東征軍を資金的にも支え得た有力豪族が住んでいたのは間違いのないところです。今後の研究が大いに待たれます。
今回は委託品です。表には、飛翔する姿が美しい八咫烏が描かれています。特徴となる三本足まで精密に刻まれています。木の葉のように見えるのは東征軍兵士を示し、その数で発行地域を特定できるそうです。裏には菊花三輪の刻印が確認できます。側面にも偽造防止のための刻印があります。紙ケースが外れていた同種コインの側面を撮影してみました(5枚目の画像)。委託者の購入価格は1枚55000円とのことですが、早期の換金のため大幅に値下げして出品することに同意していただきました。撮影の際の光の量によって実物と違った色に写ることがあります。タイトルに記載した量目は委託者宅の計量器で測定した値から販売店に問い合わせて確認した紙ケースの重さを差し引いたコインのみの重さです。0.2g以内の誤差をお許しください。これまで一度も鑑定に出したことがなく、正真正銘の真贋不明ですが、トラブル防止のためあえてレプリカとして出品させていただきます。また、金品位を記載した保証書が見当たらないとのことですので、非金製品として出品させていただきます。開始価格は買い値の十分の一以下とさせていただきますので、古代史にご関心のある方のご入札をお待ちいたします。高騰防止のため即決価格をご用意しました。自己紹介欄にオークション休業日を記載させていただいております。お手数とは存じますが、ご入札前にお読みいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。