<超古代日本貨幣>物部金(天孫降臨の金貨) 量目約13.3g 河内國渋川郡出土


『日本書紀』には主祭神天照大御神(アマテラスオオミカ)の神勅による2種の天孫降臨が記述されています。孫の饒速日尊(ニギハヤヒノミコト)を畿内の河内国(現在の大阪府)に降臨させ、一方で同じく孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)も日向国(現在の宮崎県)に降臨させています。後者の場合に瓊瓊杵尊の曽孫に当たる神日本磐余彦(カムヤマトイワレヒコ)が苦難の東征をして畿内に入って初代神武天皇になることを思えば、前者の方が最初から畿内に降臨しますのではるかに効率的です。先に畿内を平定していた饒速日尊が神日本磐余彦に支配地を譲ってめでたく話は完結しますが、重要なことはその饒速日尊が古墳時代の大豪族物部(もののべ)氏の始祖にあたることです。後世の飛鳥時代に蘇我氏によって物部守屋が討たれて衰退する物部氏ですが、神代からの伝承を考えれば、高千穂銭と同様の天孫降臨の金貨(天照大御神から託された軍用金貨)が存在しても不思議はありません。
親しい古代貨幣コレクターの話によれば、今のところ物部氏の根拠地であった大和國山辺郡と河内國渋川郡で見つかっているとのことです。どちらの表面にも鳥居と宝貝が刻まれ、裏の模様で出土郡を識別できるそうです。
尚、別の識者によれば、天孫降臨の際に天照大御神に軍用金貨を託された話は一族の権威を高めるための物部氏の創作であり、実際には大豪族にありがちな私鋳貨幣以外のなにものでもないそうです。出品者としては天照大御神に託された方の話を信じたいですね。

今回は委託品です。委託者の購入価格は52000円とのことですが、早期の換金のため10分の1以下に値下げして出品することに同意していただきました。撮影の際の光の量によって実物と違った色に写ることがあります。タイトルに記載した量目は委託者宅の計量器で測定した値です。0.2g以内の誤差をお許しください。これまで一度も鑑定に出したことがなく、正真正銘の真贋不明ですが、トラブル防止のためあえてレプリカとして出品させていただきます。また、伝承に従ってタイトルに「金」と書きましたが、金品位を記載した保証書が見当たらないとのことですので、非金製品として出品させていただきます。開始価格は買い値の十分の一以下とさせていただきますので、古代史にご関心のある方のご入札をお待ちいたします。高騰防止のため即決価格をご用意しました。自己紹介欄にオークション休業日を記載させていただいております。お手数とは存じますが、ご入札前にお読みいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。