本物保証! 歴史学者として大学の教壇に立つ傍ら、東京ガラス工芸研究所を開設しガラス工芸家として活躍。正倉院に伝来したガラス器の復元に成功し以後、世界各地から出土されたガラスの器の製法技術の復元を果たし、その技法を公開するなどガラス工芸界に大きな影響を与えた【由水常雄】作。
倣正倉院宝物ガラス器「白琉璃碗」です。
原作品は4~6世紀頃のササン朝ペルシアにおいて王が臣下の貴族や豪族に下賜するために王室ガラス工房にて制作された古代ガラス器で、分厚い器壁に深く鋭いカットを施した気品高き器はペルシャ諸国の至宝として当時の特権階級に愛でられました。
本品はシルクロードを経て終着駅である正倉院にもたらされた国宝級の逸品を、同質の素材、同一の技法により制作する実験考古学的手法によって復元したお品です。
淡褐色のついた透明ガラスに施された4段各22個ずつの円形の切子による装飾が亀甲繋ぎの文様として外面を覆い、全面のカットが照明の光を幾重にも反射し、宝石と見紛う輝きを放っています。
底部には中央に1つの円文を表した上で周囲に7つの円文を配しており、7は西アジア古来の思想である整数信仰において"あらゆるものが完結した状態"を示す完全数であることから、古の時代の信仰に基づく美意識が見事に表れた形状であることが分かります。
器を覗き込めば切子の一つ一つが万華鏡のように反対側の切子・景色を無数に映し出し、実に幻想的な景色を創出しており、可憐な輝きを湛える姿に誰もが酔いしれることでしょう。
あまりにも美しいお品です。どうぞ画像でもじっくりとご鑑賞下さい。
共箱付き。(染みやヤケ等の傷みあり)
是非この機会をお見逃しなく!
|
|