インドネシア・カリマンタン島ダヤク族のイカット(クララさんの


インドネシア・カリマンタン島ダヤク族のイカット(クララさんの作品)
インドネシアの数ある織物の中でも、イカット(絣織り)は世界的に最もよく知られています。特に、スンバ島やスンバワ島、フローレス島、アロール島などの、小スンダ列島の島々のイカットが有名です。しかしながら、それらの東西ヌサトゥンガラ州産の物と比べ、優るとも劣らぬ最高レベルのイカットを生み出す地域がカリマンタン(旧ボルネオ)島なのです。ことに、西部カリマンタンのカプアス川流域に暮らす総称してダヤク族と呼ばれる人々が織ったイカットは、近年シンガポールやマレーシア市場で大人気です。そればかりか、欧州や北米そしてオーストラリアのコレクターの間でも、人気急上昇中です。
ここに紹介するイカットは、カプアス川中流部に位置するシンタン(Sintang)市の東方、車で一時間ぐらいの地点にあるエンサイド・パンジャン(Ensaid Panjang)村で織られたものです。ダヤク族の中でもデサ(Desa)族に属する同村の人々は、カプアス川中流部一帯では、一番有名なイカット生産地として知られています。カトリック宣教団が運営する文化センターであるKOBUSの指導の下、伝統工芸復活運動が積極的に進められており、特に、伝統手法に基づいたイカット生産が推奨されています。同村は、長さ70メートルほどのロングハウスに65世帯が暮らしていますが、イカットを織る女性は、現在53人を数えています。
サイズは、約130 X 76cm(フリンジ約8-9cm)。織ったのは、三枚目の写真でこのイカットを手にする青年のお姉さんであるクララさん(21歳)です。モチーフは、「Tangkai Pilir」(ピリールと呼ばれる植物の葉や茎)です。尚、このイカットは裏表で計2枚同じものができますが、もう一枚は売却済みで、これが最後の一枚です。

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