本物保証! 釜師・名越昌春のもとで働く風炉職人であった父・初代原田峯雲に蝋型鋳造の技法を学び、はじめ花器専門店の下職として花器や茶器を制作していたものの、現在の水石愛好の主流である水盤鑑賞を考案した豊香園主・鈴木倉吉にその技術を買われて薄手の水盤を作るようになり、「銅水盤の作り手としては右に出る者はいない」とも謳われる程の水盤の秀作を残した【二代原田峯雲】(1898-1973)。
蝋型鋳造においては鋳造と仕上げで職人が変わるのが一般的な中で、鋳造・仕上げ共に峯雲は自らの手で行い、青銅や斑朱銅などいずれの仕上げにおいてもその地肌の美しさ、斑紋の見事さで広く知られています。
名工【二代原田峯雲】作、斑紫銅浪足薄端です。
峯雲の類稀なる技巧がしっかりと反映された蝋型鋳金作品で、漏斗状に大きく広がる上皿に、飛沫を上げる荒波を象った脚部を備えており、薄手に造られた端正な皿部と躍動感溢れる脚部が一体となることで、どこか近寄りがたい緊張感を感じさせる厳かで迫力に満ちた逸品へと昇華されています。
鋳造後に銅表面を炭火で焼いて酸化被膜を出す「斑紫銅」の技法を駆使して仕上げられた地肌には、深い赤紫色がむらむらと現れて作品により一層の鑑賞性を添えており、焼きが甘いと文様は現れず、熱しすぎると酸化変形してしまう絶妙なタイミングを見極める優れた目と仕上げの力量に感嘆の念を抱きます。
本来の花器としての抜群の存在感、もちろん美術品としても莫大な価値を有する秀逸作品です。
底に「峯雲」鋳銘あり。
共箱付き。(背面板の大きな欠損、ソゲや虫食い、染み等の傷みあり)
是非この機会をお見逃しなく!
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