●みすず書房 1989.2.14発行
●サイズ: A5判/ページ数 256p,/高さ 22X16cm
●定価:不詳
●状態:並 カバーなし 天に青マジック徴有
・表紙の痛み:スレ、汚れ有
・シール:図書館除籍本
・大きなページの折れ:なし
・書き込み:扉にエンピツ書き込みあり(写真のとおり)、P182-187 エンピツ線あり。
・読むのに支障のあるような染み、汚れ:なし
・水濡れのあと:なし
●内容:(出版社内容情報より)
本書はインドネシアのパリ島に特有の社会制度〈ダディア〉に関する考察であり、これをバリ社会全体の解明のいとぐちにしようとするものである。
「〈タディア〉とは、男系的で、内婚を好み、共通の祖先を持つと信じている人々の、強い団体的性格を持つ集団である。しかし〈タディア〉のもっとも興味深い点は、集団形成にふさわしい人々がいたとしても、必ずしもすべての場合〈タディア〉を形成するとは限らない、その偶発性である。〈ダディア〉は、形成・膨張・縮小・分解を容易に柔軟にやってのける。第二に親族集団であり同時に宗教的集団であり、カーストの中の小さいカーストであり、地域的党派である。第三にそれは地域社会によってつねに制約され、侵食されている存在であるが、地域社会に対してつねに自己を確立しようとする。」
本書は〈ダディア〉が、バリの文化——宗教・政治・経済・芸術について論じ、分析する上で避けて通ることのできない、社会生活における重要な制度の一つであることを明らかにしている。「著者はバリの社会を広い意味での象徴体系の−環として捉えようとし、それに見事に成功していると言えよう。捉えにくいバリの社会に関して、一つの有効な枠組みを提示した。グッドイナフは、本書は親族体系や社会組織の研究のなかで最も革新的なものの一つで、詳細でかつ読みやすく、理論的にも重要な研究であり、やがて〈古典〉となるだろう、と
述べている。」(訳者あとがき)
目次
序文
第1章 文化、親族関係、そしてダディアの探求
ダディアの探求/バリ社会の概観/検討事例——二つの王国と三つの村
第2章 私的領域における親族関係
屋敷と世帯/屋敷集団/私的領域での個人間の関係
第3章 公的領域における親族関係——平民のダディア
ダディアの定義/分化——ダディア組織の構造/ダディアの形成、拡大、結晶化、分化、衰退——仮説的モデル/村の分化の種類——経験的モデル/ダディアと称号集団/テクノエミーと親族集団の柔軟性/内婚と親族集団の統合/ダディアと政治的リーダーシップ/ダディア間の競合関係——略奪婚/ダディアと村の間の構造的な緊張関係およびその解消
第4章 公的領域における親族関係——貴族のダディア
バリの古典的国家の基本単位としてのダディア/貴族の出自——地位の下降の原理/婚姻の政治/親族関係の空間的配置
第5章 バリ人は親族体系を持っているか
付録 A バリの親族名称/B ベン家の年代記/C アアン村の基本通則
原註
訳者あとがき
索引
図版目次
著訳者略歴
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
Clifford Geertz
1926年米国サンフランシスコ生まれ。アンティオク・カレッジで哲学の学士号(A.B., Antioch College, 1950)、ハーバード大学社会関係学研究科で人類学博士号を取得(Ph.D., Harvard University, 1956)。カリフォルニア大学(バークレー校)助教授、シカゴ大学助教授・準教授・教授を経て、1970年にプリンストン高等研究所の社会科学部門教授となった。1982年よりハロルド・F・リンダー特別教授、2000年より同部門の名誉教授。米国を代表する人類学者として解釈学的アプローチによる「解釈人類学」を主張し、おびただしい量の濃密な著作により、人類学ばかりでなく歴史学、社会学、哲学などをはじめとする現代人文社会科学に巨大な影響を与えてきた。邦訳されている著書に『インボリューション——内に向かう発展』(1963、池本幸生訳、NTT出版、2001)、『二つのイスラーム社会——モロッコとインドネシア』(1968、林武訳、岩波書店、1973)、『文化の解釈学』(1973、吉田・柳川・中牧・板橋訳、岩波書店、1987)、『バリの親族体系』(1975、共著、鏡味・吉田訳、みすず書房、1989)、『ヌガラ——19世紀バリの劇場国家』(1980、小泉潤二訳、みすず書房、1990)、『ローカル・ノレッジ——解釈人類学論集』(1983、梶原・小泉・山下訳、岩波書店、1991)、『文化の読み方/書き方』(1988、森泉弘次訳、岩波書店、1996)がある。
Hildred Geertz
1927年ニューヨーク生まれ。ラドクリフ・カレッジに学び、1948年にクリフォードと結婚。プリンストン大学人類学科教授を務め、クリフォードとともにインドネシアやモロッコの調査に従事した。著書The Javanese Family,1961(戸谷・大鐘訳『ジャワの家族』みすず書房、1980)。
よしだ・ていご
1923年、東京に生まれる。1947年、東京大学文学部心理学科卒業。九州大学助教授、東京大学教授、聖心女子大学教授、慶應義塾大学客員教授、桜美林大学教授を歴任。東京大学名誉教授。著書『日本の憑きもの』(中公新書、1973)、『魔性の文化誌』(研究社、1976)、『宗教と世界観』(九州大学出版会、1983)、『宗教人類学』(東京大学出版会、1984)、『レヴィ=ストロース』(共著、清水書院、1991)、『バリ島民』(弘文堂、1992)ほか。訳書 E. リーチ『レヴィ=ストロース』(新潮社、1971)、R.エルツ『右手の優越』(共訳、垣内出版、1979)、C. ギアーツ『文化の解釈学』(共訳、岩波書店、1987)、R.ニーダム『象徴的分類』(共訳、みすず書房、1993)、E.モース『贈与論』(共訳、筑摩書房、2009)ほか。
かがみ・はるや
1954年、名古屋に生まれる。1984年、東京大学大学院文化人類学専攻博士課程中退。博士(学術)。財団法人リトルワールド研究員を経て、現在、金沢大学人間科学系教授。著書『政策文化の人類学』(世界思想社、2000)ほか。
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