◎概 要
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ご覧いただき、ありがとうございます。マランツが1976年頃に発売したステレオメインアンプModel 140です。
定格出力は、80W+80W(8Ω)と今となっては小さめですが、重量が11kgもあり、大きな電源トランス、大型放熱器など、かなりの物量が投入されています。また、左右独立2段切替えのVUメーターやチャンネルごとに過大出力時などの電流制限回路作動を警告するピークインジケーターも搭載しています。
現在、販売されているデジタルアンプなどとは違った、とても個性的なアンプだと思います。
参考仕様(オーディオの足跡(https://audio-heritage.jp/MARANTZ/amp/model140.html)より)
定格出力(20Hz~20kHz、両ch駆動):100W+100W(4Ω)、80W+80W(8Ω)
全高調波歪率:0.1%以下(20Hz~20kHz)
混変調歪率:0.15%以下(20Hz~20kHz)
周波数特性:20Hz~20kHz ±0.1dB
入力感度/インピーダンス:1.5V/30kΩ
ダンピングファクター:45以上(8Ω)
電源:AC100V、50Hz/60Hz
消費電力:250W
外形寸法:幅360x高さ120x奥行273mm(幅と高さはパネルサイズ)
重量:11kg
別売:ウォルナットキャビネット WC-20(¥5,900)、ラックマウント用アダプター RA-10(¥4,900)
本品は、メンテナンスを実施し、測定により動作を確認したものになります。
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◎メンテナンス内容
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・ピンジャック端子及びスピーカー出力端子接点部分の清掃
アンプ裏面のピンジャク端子及びスピーカー出力端子接点部分をエレクトロニッククリーナーを使用して清掃しました。
・アンプケースの清掃
フロントパネル、ツマミ類、ボンネットを取外して、洗剤で洗浄しました。
・DCドリフト調整
・アイドリング電流調整
・ピークインジケーター回路の修理
小出力時にピークインジケーターが点灯することがあったので、一部パーツを交換し修理しました。
・脚のすべり止めゴムの取付け
脚のすべり止めゴムが劣化してはがれたりしていたので、クロロプレンゴムを所定の形状に切り抜き、貼り付けました。
(きれいな円形に切ることが出来ず、不細工ですがご了承ください。)
・電源プラグの極性合わせ
オーディオアンプは、電源コンセントに電源プラグを差し込む際の極性によって音が変わることが知られています。本品は、並木精密宝石(株)のDirection Finder DF-100を用いて電源プラグの極性を合わせてあります。電源プラグの赤丸シールが貼ってある方がプラス(電源コンセントの短い側に差し込む)になります(写真ー2)。
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◎測 定
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動作状態を確認するため、手持ちの測定器を用いて周波数特性、歪率などを測定しました。主な測定器は以下のとおりです。
発振器:nf DF1906、8Ω模擬負荷(自作品)、電圧計:リーダーLMV-186A、歪率計:ラックスキットM-4D
・周波数特性(図ー1)
図ー1は、1W, 10W及び50W出力時の周波数特性の測定結果をグラフに示したものです。このグラフでは、測定した出力電圧から出力電力に換算し、それぞれのチャンネルで1kHzの値を0dBとして描画しています。なお、グラフに示している丸ポイントが実測定点です。
このアンプの周波数特性は、1W出力時において20Hz~20kHzでフラットな特性になっています。10W, 50Wと出力を上げていくと、帯域幅は制限されてきますが、いずれの出力においても測定した20Hz~200kHzにおいて不自然なピークなどはありません。
・歪率(図ー2)
図ー2は、Model 140に1kHzの正弦波を入力し、両チャンネル駆動で1W, 3W, 10W, 30W, 50W, 80W出力時の歪率をそれぞれのチャンネルごとに測定し、その結果をグラフに表したものです。両チャンネルとも、定格出力付近まで0.02%の歪率となっています。
なお、グラフでは50W出力から80W出力まで直線的に歪が増えるように描画されていますが、実際には、50Wから80W出力の間に歪が増え始めるポイントがあるものと思います。50Wから80W出力の間をもっと細かく測定すればそのポイントが把握できたかも知れませんが、ラックスキットM-4D の歪測定には少し時間がかかるためアンプへの負担が大きくなるので、その測定は行いませんでした。
また、100Hz及び10kHzの正弦波を用いた10W出力時の歪率測定を行いましたが、両チャンネル共、それぞれ0.02%、0.01%程度でした。(10kHzの歪率が小さいのは測定系の誤差と思われます。)
・入力感度
1kHz,1.87Vの正弦波入力で、80W出力となりました。
・VUメーター感度
本機のVUメーターは、OFF、0dB、+20dBの感度切り替えが出来ますが、+20dBのとき約40W出力時に0dBを示しました。
なお、両チャンネルのVUメーターには、若干感度差があります。
・ピークインジケーター動作出力
両チャンネル共、約75W出力時にピークインジケーターが赤く点灯します(写真ー8)。
・再生音
作業場に置いてあるスピーカーに接続し、音出しをしました。音質をきちんと評価するには極めて貧弱なシステムですが、力強い軽快な音が再生できていると思います。
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◎動作・外観
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・アンプケースには、大きく目立つ傷はありませんが、電源トランスケース、シャーシ、ねじ頭などに錆があります。
・塗装に汚れ、傷などがあります。
・RチャンネルVUメーターの照明が、Lチャンネルに比べて暗くなっています。
それぞれ、写真をご参照ください。
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◎注意事項
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・東京都からヤマト宅急便(140サイズ、15kg以下)でお送りします。落札後、送料をお知らせします。
・測定に際しては誤り等がないよう最善を尽くしていますが、測定に用いた機材はメーカーによる校正がなされたものなどではありませんので、測定で得られたデータはあくまでも参考として示している点、ご了承願います。
・出品しているアンプは発売後、50年近くが経過しているヴィンテージ品です。新品同様のコンディッションをお求めの方は入札をご遠慮願います。
・出品は、Model 140 本体のみです。
・本機には入力ボリュームが設置されていません。大きな入力を接続して電源を入れますと、本機や接続したスピーカーが壊れる可能性がありますので、入力を絞った状態で電源を入れるようにしてください。
・落札後のキャンセルはご遠慮願います。また、落札後、24時間以内の取引ナビ連絡、かんたん決済期限内の支払い手続きをお願いします。これが守っていただけない場合には、落札者都合によるキャンセルとさせていただきます。悪しからずご了承願います。
・万一、到着時に破損していたなどの運送事故は保険での対応となります。
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