阿佐田哲也/署名(サイン)●『牌の魔術師』●装釘:秋野卓美●報知新聞社刊・1969(昭和44)年・初版、カバー●処女作含む短編集
●阿佐田哲也/署名入り「牌の魔術師・雀豪列伝」、記念すべき阿佐田哲也としての処女作を含む短編集。秋野卓美・装、報知新聞社刊、1969(昭和44)年、初版、カバー、約17.5×12.5cm、262頁
● 昭和43年、阿佐田哲也はナルコレプシーの治療費の足しにしようと、禁断の麻雀小説を書き始める。まさしく阿佐田哲也(朝だ!徹夜だ!)の誕生である。週刊大衆に「天和の職人」以下の9篇を発表。翌44年に発表した7篇を合して単行本化したのが本書である。
● 単行本としては「麻雀放浪記・青春編」のほうが早いが、短編作品としては「天和の職人」が、阿佐田哲也名義の処女作といえる。この見事な短編集は、さしずめ色川武大における「怪しい来客簿」であろうか。